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看板猫のいる島の宿-小値賀・民宿千代



五島列島の北端付近にある小値賀島。半日もあれば一通り回れるほどの小さな島で、属島に囲まれ比較的波静かなところだ。その好立地のためか古くから海路が発達し商港が栄え、また捕鯨も盛んで賑わったところである。


今回、この島の集落群を訪ねたいと計画したところ、船便などの時間から島に泊らないと十分な探訪時間が確保できない事が判った。ネット等で見ると、島には10軒ほどの旅館や民宿がある。見る限りでは旅館は新装されたような外観のものが多いように思えたので、「千代」という民宿に電話で予約しておいた。佐世保から朝の高速船で島に到着、自転車で島を一周した後宿に向った。港の西側、少し小高い所にある宿は民宿の看板こそあるが、宿泊施設には見えない構えでどこか他所の御宅を訪ねるような雰囲気である。そして私の姿を見てか、数匹の猫が近寄ったり離れたりしている。


玄関を開けると挨拶もそこそこにそのうち一匹が勢いよく入って行ってしまったので急いで知らせると、慌てる様子もなく何時ものことらしい。現れたのは70代後半と思われる叔母さんであった。

民宿をはじめられ40年ほどとのことだが、案内された部屋も廊下もとても清潔に保たれており、適宜手入れをされて快適に滞在できるよう工夫がされている。島の東にある野崎島が世界遺産の一部となってから訪問客が増えたという。宿に向う前に寄った歴史民俗資料館の人によるとこの民宿は評判が良いとのことで、小規模ながらお客さんが絶えないのだろう。しかし部屋数から3組が限度とか。宿の方は叔母さん以外見ることが無かったので一人で切盛りされているようだ。


夕食はもちろん叔母さんの手作りの献立で、ヒラマサの刺身、イサキの焼物、その他魚中心の期待通りのもので、刺身も新鮮で旨い。叔母さんと雑談しながらそれらをいただくのは民宿らしい泊り味である。

島への航路は外海を経由することから欠航になることもあり、島に来ても帰りの便が止まってしまって運悪く島に取り残されることもあるそうで、そういったお客の話などをされた。猫は少し餌付けをしていると次々寄ってきたと言い、夜部屋の窓を少し開け網戸にしていると、どこからか猫の鳴き声がして一匹が部屋をのぞき込んでいた。宿にはちゃんと飼われている猫もいて、見ると流石に毛並がよくおとなしい。叔母さんいわく「看板娘」とのこと。


当日もう一組客があったようで、宿に着きひと風呂後に別の部屋に若い男性客が見えたので軽く挨拶した。しかし、夕食、朝食時とも叔母さんと色々お話ししながらの一人での食事だったのでそれ以外は声を交わしていない。聞くと野崎島を目的とした数人のグループのようであった。

(2024.10.26宿泊)



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高台に建つ「民宿千代」



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宿の前には様々な花の苗が植えられていた



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清潔感のある部屋と風呂場



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夕食・朝食



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宿の周りには猫が



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宿の「看板猫」


by mago_emon3000 | 2024-11-23 19:16 | 九州の郷愁宿 | Comments(0)