明治時代の茶屋に由来する老舗―関金温泉・鳥飼旅館(日帰り)
鳥取県中央部、倉吉の市街地から南西に5km余りの所にある関金温泉。田園から山懐に差し掛かろうとするところに小さな温泉街が展開している。1200年前の開湯ともいわれる古い温泉場で、無色透明の湯は白銀の湯と称されるが、成分は濃厚でラジウム温泉という放射能泉で、その含有量は国内2位といわれる。
近くで現場仕事の予定があり、帰りに関金の湯で汗を流して帰ろうと調べると、「鳥飼旅館」という宿が目に留った。明治時代に存在した三つの茶屋にそのルーツがあるという老舗で、源泉に近く、泉質も最も良いといわれる。
旅館は国道313号より東に少し入った山裾にある。周囲は温泉街のはずだが、営業しているのはこの鳥飼旅館のみのようで、あとは少し奥まった位置にある共同浴場・関の湯が日帰り客を迎え入れているのみのようだ。
夜の宿泊客の到着にも早い時間で旅館内はひっそりとしていた。ロビーから突当りを二階に上がり客室棟を抜け、一旦渡り廊下のようなところに出ると浴室の入口があった。他に客はなく、5・6人は入れそうな湯船には新鮮な湯が掛け流されている。湧出量は豊富なのだろうが、何だかもったいない気がした。暑い日で、長湯するとその後汗が止らなくなりそうなので入ったり上ったりを繰り返しながら適度に切上げたが、上質な時間だった。
もっと多くの客の訪問があってしかるべきと感じる良い湯であり旅館である。
(2023.08.03訪問)

鳥飼旅館の建物
ロビーまわりの風景


浴室 新鮮な湯が常にかけ流されている

温泉の説明板


客室棟の廊下

さびれた雰囲気が漂う温泉街
by mago_emon3000 | 2023-08-14 09:43 | 山陰の浴場 | Comments(0)