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津山で最も伝統的な登録有形文化財の宿-あけぼの旅館


美作の城下町津山。城址の南側には重要伝統的建造物群保存地区に指定された町並もあり、その歴史を現在も十二分に残している。

「あけぼの旅館」はそんな古い町並の中ではなく、商業施設などのある中心市街地の一角にあった。その点はやや意外な感じがしたが、見ると趣のある玄関付近に非常に奥行きの深い敷地を有し、伝統的旅館というにふさわしい構えであった。現存する旅館としては市内で最も古く登録有形文化財となっている。今のご主人は4代目という。


旅館の建物は増築や改築を経ており、一言では表現しがたい間取りとなっている。通りに面して玄関に続く棟(母屋?)がまずあって、そこから南側に2列に建屋が接している。玄関から向かって右側は炊事場として使われているようだ。更に奥に客室棟があり、炊事場の棟とに囲まれた部分には整えられた小さな中庭がある。

宿泊客は炊事場部分を通さず、左側の建屋内の廊下を真っすぐ進んでいったん中庭に出るように案内される。これは余り旅館にとっては書かれたくない情報かもしれないが、炊事場部分の廊下はタイル張りの洗面所などが残るなど古い旅館らしい表情をしていて、私にとってはこの旅館で最も趣を感じる部分でもあった。宿泊中の移動はこっそりそちらを経由したりした。

ちなみに玄関横の母屋部分一階にも客室があり、ご主人によるとここが最も良い部屋という。


案内されたのは奥の客室棟2階、次の間付12.5畳の部屋で、年季の入った床の間・床柱は落ち着きを感じさせ、老舗旅館らしい設えであった。隣の部屋は「乃木の間」といい、陸軍軍人であった乃木大将が明治40年に宿泊した部屋だという。現在は客室としては使われていない様子だったが見せてもらうことはできた。廊下には、乃木大将が使用したという布団も展示されている。すでに110年以上となるが、良くぞ状態良く保存されているものと感心した。


食事は玄関棟の中庭を望む部屋で頂いた。廊下を挟んで反対側にある最も良いとされる部屋は他の客が利用していたが、朝食後出発済みだったので廊下からではあったが見ることが出来た。違い棚のある立派な床の間、そこには何やら漢詩が記された掛軸があった。そういえば玄関わきには大層な屏風絵があったが、私が芸術関係に疎いのとご主人に聞くことも忘れて何が描かれているのかはよくわからなかった。

なおトイレや浴室は現代の宿泊客に快適なように改装されており、こういった部分は快適に使用できるように整えられつつも、旅館としての原型は極力手を付けず原形を保とうと、尽力されている姿が伝わった。

(2022.04.30宿泊)



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表の通りより


旅館横の敷地より 複雑な構造となっている



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玄関先の様子 案内板がある






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玄関回りの様子 立派な屏風絵がある



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母屋にある最も良いとされる客室



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炊事場のある棟 タイル張りの洗面台が



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中庭の様子




奥の客室棟の廊下



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案内された部屋 二間続きの立派な部屋だった


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天井と欄間の凝った意匠







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乃木の間



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乃木大将が使用したといわれる布団


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食事をした部屋



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by mago_emon3000 | 2022-05-29 07:12 | 山陽の郷愁宿 | Comments(0)