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三瓶高原の片隅に沸く濃厚な炭酸の湯-小屋原温泉・熊谷旅館

大山隠岐国立公園の一角でもある三瓶山は火山であり、周囲には中小の温泉場が散在している。そのひとつ小屋原温泉というのが以前から気になっていたところ、この付近へ出張の間に程よい空き時間が生れたので、訪ねてみようと思い立った。温泉マニアの中ではなかなか有名なところらしく、検索すると結構な情報が出てくる。一番の特徴はその泉質で、強い炭酸泉という。

温泉は一軒宿の浴場を利用するらしい。その旅館は三瓶山の観光ルートとは外れた位置にあり、しかも谷間の落ち窪んだようなところにあるため私は存在を全く知らなかった。

この「熊谷旅館」は、建物の外見的にはどこか役所を思わせるようなやや殺風景なイメージである。昼時間のこと客の姿はなく、声をかけると奥から女将らしい女性が出てきて、1時間以内・500円ということで奥の浴室棟を案内される。この浴室棟は表の建物から続いているものの木造の年季が入ったもので、にわかに秘湯の雰囲気が漂ってくる。

小さな浴室が4つ並んでおり、いずれも貸し切りで利用するようだ。他の客はなかったので一通り浴室を見て、手前から2つ目に入ってみることにした。浴槽はコンクリート製の比較的新しいと思われるものもあったが、ここは析出物が分厚く堆積して古そうに感じたからだ。同じ棟の浴室なので新しい古いはないだろうが、聞くところによると泉質も微妙に違うとか。それぞれ小さな脱衣所があり、奥の浴室に向かう構造だ。

噂通り、浴槽に体を沈めると大量の泡が付着した。取っても取っても次々と生じてくる。湯を少し口に含むと、なんだか出汁のような複雑な味がしていかにも効能が高そうであった。湯はぬるめで、次の用件まで時間のあった私は1時間近く湯につかったり出たりして過ごした。湯が投じられるかすかな音がするだけで、出張先のささやかながらとても贅沢なひとときであった。廊下には古びた案内看板などもあり、茶色の析出物に彩られた浴室も相まって秘境感も濃く感じられた。

休日などはなかなかの賑わいと聞くが、いつまでも続いてほしいと思う一方、あまり有名にならないでもらいたいとの思いも同時に抱いた。

2018.10.29訪問)


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熊谷旅館の外観


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玄関から右奥に進むと浴室棟の廊下に出る


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入湯した浴室の浴槽 析出物で大層な景観になっている


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常時新鮮な湯が投じられている



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他の浴室の様子



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廊下には昔ながらの注意書が残されており歴史を感じさせる


by mago_emon3000 | 2021-03-06 20:08 | 山陰の浴場 | Comments(0)