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家族経営の小さな温泉宿-吉岡温泉・たから屋旅館

鳥取市の西郊外、湖山池の近くに開ける吉岡温泉。温泉街は真新しい共同湯が1軒あるほかは小さな旅館が主なささやかな温泉地である。

山陰の温泉地の中では今一つ影が薄い印象だったが、仕事の関係でこの近くを訪れる機会があり、後日1泊する可能性がありそうなのでどのような旅館があるか確認したのち共同湯に入って後にした。

ひと月後、その機会が訪れることとなり、改めてネットでの情報などももとに、「たから屋旅館」を選んだ。最近改装され、ある意味客受けが良い外観になっているが、内部は昭和の温泉旅館らしい姿というところと、家族経営の小規模な旅館というところに眼がとまった。

温泉街のほぼ中央だが細い枝道沿いの静かな一角に「たから屋旅館」はあった。旅館の建物は戦後間もなくの建築で、案内されたのは小さな中庭を囲む廊下を廻って階段を昇った先にあった。表から見える建物とは別棟で、客室は主にこちら側にあるようだった。廊下や階段、部屋もシンプルな感じではあったが、あちらこちらに昭和の旅館らしいしつらえがあり、落ち着きを感じることができる。

女将さんによると、吉岡温泉には以前は200人ほどが泊れる大型旅館もあったとのことだが、現在は小さな旅館9軒でやっているのだという。それが逆に温泉街の風情を高める結果となっているのは、何だか皮肉なものだ。平日のこともあり、共同湯には人や車の出入りがある一方、旅館に泊る客はごく少ないようだった。「たから屋旅館」の客も私のみであった。

24時間かけ流しの湯をいつでも独占できるのは何とも贅沢で、計4回入った。弱アルカリ性の単純泉ということで肌触りよく、こういう場合、癖のない湯の方が有難い。

夕朝食とも質量双方十分なもので、満足の宿泊となった。いただいた食堂に並んだ椅子は10脚程度で、予約を取るといっても最大でもその程度の客数なのだろう。食事をしていると玄関を挟んだ反対側から子供の声が聞こえてきた。常に女将さんに接客いただいたのでご主人の姿は見えなかったが、お孫さんと思われた。三世代で生活されているようだが、宿はご主人と女将のみで回されているのだろう。

民宿の香りもする良い宿であった。

2020.11.04宿泊)


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たから屋旅館の外観



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玄関回りの様子



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案内された部屋の様子



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あちこちに昭和の宿の香りが 階段は急だった



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24時間かけ流しの浴室



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坪庭風の小さな中庭 館内の良いアクセントとなっていた


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食事場所(夕食の様子)と朝食


by mago_emon3000 | 2020-11-21 14:56 | 山陰の郷愁宿 | Comments(0)