宿場町の時代から続く老舗-智頭町・河内屋旅館
智頭町は林業の町、古くは陰陽を結ぶ街道の宿駅が置かれたことで発達し、今も因幡地方内陸部の主要な町のひとつである。旧街道沿いには商家・大地主であった重文の石谷家をはじめ、宿場町時代の面影を残している。
街道沿いから一本西側の小路に面して「河内屋旅館」がある。こじんまりした外観が周囲の古い町並の風景に一体化しているようだ。玄関を覗くと、60歳くらいの男性が出て来られた。ご主人と思われたが85歳になられるという女将の息子さんで、手伝いに来ているとのこと。
案内されたのは街道に面した二階の部屋で、この正面の建物は比較的最近(戦後か)に改築されたもののようだ。女将の息子さんに少しお願いして簡単に館内を案内していただいた。旅館としての創業は江戸前期とのことで大変な老舗だが、詳しい年次は不明とのこと。奥に続く棟は創業当時のものではないにせよ相当古いと思われ、急な階段を昇った両側には建てられた時そのままのという部屋が残させていた。入浴中の先客が使っているようで廊下から簡単に撮影するにとどめたが、欄間や黒光りする柱・天井など年月を経過しないと出ない風合いを感じさせた。
夕食は1階の座敷でいただいた。少し遅れて女将の息子さんと30歳くらいの男性が食事を始めた。先客と思ったのは女将のお孫さん(女将の息子さんの甥)なのだった。客には表側の新しい客室をあてることにしているのだろう。それなら事前にできるだけ古い部屋を所望すればよかったかと。
客は私一人で、女将さんも交えて会話を交わしていると、民宿の感じしかしなかった。料理は女将さんひとりでやられているようで、まだまだ健在のようであった。豪勢さはないもののいかにも手作り感に溢れていて、この旅館にふさわしい料理内容と感じた。
翌朝は朝食前に一通り町並を散策し、食事後に部屋から路地を見下ろすと、務めや学校に向う人たちが動き出し、活きた町との印象を強めた。
(2020.10.04宿泊)

河内屋旅館の外観

玄関から見た様子


泊った部屋の様子


奥の棟にある創業当初のままと云われる部屋

奥の部屋につながる階段 相当に年季の入ったものだ

食事はこの部屋でいただいた

朝食 全て女将が材料から手づくりしたものだった


泊った部屋にもこのような古い意匠が見られる 衣桁にある鶴の絵

by mago_emon3000 | 2020-11-01 15:09 | 山陰の郷愁宿 | Comments(0)

