津山・旅館お多福
津山市周辺へ出張ということで、そういえば市内には結構古い旅館があったと思い色々調べていると、素泊り5000円前後で気軽に泊まれる旅館が数軒あった。その中で伝統的構えでこじんまりした「お多福」という旅館を2泊予約した。
当日訪ねると、以前は周辺にも数軒の旅館が並んでいた界隈だったが、営業されているのはこの「お多福」だけになっているようだ。当日は花火大会の開催日だったからか、他に5・6名ほどのアジア系旅行者グループの客があった。
宿は昭和3年創業とのこと。旅館名が毛筆体で記されたガラス戸を開けると、柱時計に屏風絵、水墨画の掛け軸などいかにも古い旅館の玄関といった光景に迎えられる。「津山第七號 料理屋」との木製標識もある。廊下の古い鏡には「麺類御料理 お多福」との文字もあった。今は素泊り中心のようだが、もとは料理旅館だったらしい。
案内されたのは2回のこじんまりした部屋で、畳も入れ替えられ清掃も行き届いており、このような姿勢には好感を抱く。玄関や共通のスペースは古い造作を表に出しながらも、客の過ごす箇所は新しくし快適に過ごせるようとの配慮だ。部屋は小さな中庭を囲んで配されているのも印象的だった。
後でネットで知ったことだが、この旅館には郷土の偉人の書や絵画などが多く保管されているとのことで、なるほど廊下などにも額縁や掛軸などがあちこちに見られ、それだけでも貴重性が高い。ご夫婦で経営されているようで、ぜひとも末永く続けてほしいものだ。
(2018.08.05宿泊)
旅館お多福の外観
玄関をくぐると大きな柱時計がまず目につく 料理屋の標識や刀置きもある
部屋の様子
館内のあちこちに地元の偉人のものといわれる絵画や書が飾られていた
by mago_emon3000 | 2020-01-13 16:54 | 山陽の郷愁宿 | Comments(0)