会津若松市の東郊外の谷あいに展開する東山温泉街。近代的な大型旅館、見ごたえのある老舗旅館も見られるが全体にはどちらかというとやや寂れた雰囲気の漂う、静かな温泉地である。
東山ハイマートホテルと聞くと前者を連想しそうであるが、実際は昭和のビル型温泉旅館という印象であった。私にとってはこのほうが居心地がよいものである。湯も最も新鮮な源泉を引いているということで評判のようだ。2食付で1万円未満の安価な料金設定であったが、料理も決して悪くない。
この旅館で私がある意味最も郷愁を感じたのは、ご主人直筆と思われる各所の案内書きだ。各階の案内、浴室内にまである。さらに部屋のスイッチにも。親切心からのものだろうが、それを超えて老婆心という言葉を思い起す。そして私が泊った部屋では子供がTVのリモコンを川に投げてしまったのか、本体のボタンを押して操作してほしい旨のお願い書きも。
客によってはみっともないと感じる人もあろうし、設備の充実を求める方からすると不満も出るかもしれない。
しかし、細やかな手書きの数々にはご主人の人柄を見るようであり、少々滑稽に感じながらも心が穏やかになるようであった。
(2019.04.29宿泊)

旅館玄関口(写し忘れのためネットより拝借)
夕食の膳 川魚の造りなども
温泉浴場への階段

個性そしてレトロ感あふれる浴場内の案内
源泉が投入されているため確かに熱く、有益な案内だ


部屋のきめ細やかな案内