東大のある本郷台地一帯は都心といってもよい地区にあって落着いた町並が展開し、さすが文教の地というべき風情が漂っているようだ。
そのような一角に昔ながらの旅館が現役で残っている。鳳明館は登録有形文化財にも指定された本館と台町別館、森川別館という別棟があり、本館の建築は明治38年という。いずれも昔ながらの和式旅館で、都内にあっては貴重な存在である。ちなみに泊ったのは2009年で当時はそれほどでもなかったのだろうが、最近は外国人旅行客の宿泊で賑わっているらしい。
本館と台町別館は同じ敷地にあり、どうやら「別館」の看板のある台町別館の方に泊ったようだ。
ようだというのはこの時は私個人でなく、グループでの宿泊で直接予約をいれたものではなかったからだ。それに今ほど古い旅館へのこだわりもなかったことから、記憶もやや曖昧になっているわけだ。
ビル街の只中に残っているのではなく、閑静な地区にあることで尚更高い価値が感じられる。
(2009.05.30宿泊)
鳳明館(台町別館)の玄関

極力現代的な改築を避けてきたことが随所に感じられる 階段周りの風景
洗面所も昔ながらのタイル貼り